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●あこがれの雨竜沼湿原へ・・・  vol.2

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歩き始めた頃、霧のような小雨のようなそんな天気でした。
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エゾシモツケのピンク色は普通のものより濃いですね。
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大小たくさんの沼が点在しています。ここにはカキツバタが咲いていました。
   
   
さあここからいよいよ雨竜沼湿原です。


少し前を歩いていた友人夫婦が
湿原の入り口付近で待っていてくれました。

さっきのペンケタン川へ流れ込む支流の川が
右から流れてきているところがあります。
そこで、湿原に入る前に靴裏の土を洗い流します。
湿原に下界の植物の種子を持ち込まないためです。
ちゃんと洗車ブラシが3本用意されていて
看板には注意書きがされています。

ぼくとぼくの奥さんが靴を洗っていたら
友人のOさんがわざわざ駄目出しにやって来ました。
「そんな洗い方じゃだめだよ!!」。

ちゃんと洗ったつもりなんですけど
なかなか厳しいです。
この友人のOさん、
普段はどちらかというといい加減なんですけど
こういうときだけは
血液型A型の几帳面なところが出てくるんですね。
何年付き合っていても、不思議でよく分からない部分です。

「はいはい!ちゃんと洗いますよだ・・・!」


ここにこういうブラシが置かれていて
立て札で注意が書いてあって
すごくうれしかったですね。
そして真剣な友人の言動も・・・

怒られてしまうかもしれないけど
そこまで言うなんて、ちょっと意外でした・・・?


New Zealandでもおなじようなこと経験しましたが
こういうことってすごく大切なんです。
美しい環境をずっと保っていくことは
ものすごく大変なことなんですね。

破壊するのはほんとうに簡単なんですけどね・・・
  

ここからはすべて木道の上を歩きます。
  
   
     
   
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シダの緑もやわらかく美しいです。
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浮島橋付近の風景、この川がペンケタン川です。
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クガイソウもたくさん咲いていました。
   
   
木道を歩き始めてしばらくは小雨のような霧のような
ほんとうに細かい水滴が降っていました。
木道の近く以外、周りはすべて雲の中という感じです。
遠くの風景がまったく見えないので
自分たちがどんなにすごいところを歩いていても
それがわからないでしょう。

ただこの湿原がものすごく広いことだけは
全身で感じることが出来ます。

でもせっかく来たのに
ここにいる間ずっとこんな天気だったらどうしよう・・・
不安がよぎります。
   

木道の左右に大小様々な沼点在しています。
まん丸な沼もいくつかありました。
丸い沼というのは結構珍しいのだそうです。

咲き終わったもの、今が旬なもの、これから咲くもの。
湿性の植物もたくさんありました。
やっぱりここはすごいところだなぁ・・・

   
浮島橋を渡る付近で
湿原の木道は2つに分かれ
一方通行の左回りのコースになります。
    
     
   
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雲が切れて青空が見えてきました。湿原の広さがよく分かります。
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ここにしか生息しないウリュウコウホネ。
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こんな風景を夢に見ていたんです。
    
    
ちょっと気温が上がってきました。
レインウエアの上着を脱ぎました。

急に明るくなってきたと思ったら
青空が見えてきました。
霧が晴れ、遠くまで見渡せるようになりました。
こんなところを歩いていたんだ・・・
やっと実感できました。

ここはとにかくものすごく広い。
そしてぼくが今まで見てきたどの湿原よりも美しいです。
この湿原の風景、素晴らしすぎて涙が出てきます・・・・


今日は曇り一時雨のような予報だったので
青空が見られるとは思ってもいませんでした。


今このときにこの場所にいられることの幸せを感じ
すべてのことに感謝しました。
これは大いなる存在からの
贈り物としか言いようがない
そんな時間でした。
   
   
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少し前までコバイケイソウが咲いていたんですね。
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トキソウ。小さいのでなかなか見つかりません。
   
   
数年に一度、エゾカンゾウが湿原一面に咲くのだそうですが
今年はまったくありませんでした。
また違う年にエゾカンゾウに会いに来なければいけませんね・・・

この日はあまり人には出会いませんでした。
全部で10人くらいでしょうか。

だからとても静かです。
遠くで北海道の鳥たちがさえずっています。
北海道で聞く鳥のさえずりは1年に1度くらいなので
なかなか覚えられないんです。
言い訳ですけどね・・・
家に帰ってからCDを聞いて思い出し
答え合わせのようなことはするんですけど
また次の夏、北海道で聞いたときには忘れてしまっています。

困ったものです・・・ 
   
   
   
   
   
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クロバナハンショウヅルの花とフワフワな集合果。
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ノゴマが美しい声でさえずっていました。
  
   

美しい湿原は気持ちの良いことばかりではありません。
ブヨやダニの心配もあります。
そして今回
ぼくを一番悩ましたのがたくさんのアブたち。
ブンブンと大きな羽音をたてて
ぼくの周りを飛び回っていました。
多いときには10匹以上いたでしょうか。

アブたちはカメラリュックやカメラ、三脚
そして髪の毛など黒いものに集まって来るみたいですし
撮影中じっとして動かないぼくは
格好の標的ですね。

8月にはもっとアブが増えるらしいですよ・・・
その頃には今ツボミの
タチギボウシが一斉に咲いているんだろうな・・・
アブをとるか、タチギボウシをとるか・・・?
そんな感覚ですね。

自然が残っているということは
そういうことです。
人間にとっては迷惑な虫もたくさんいます。
もちろんヒグマだって
たくさん生息しています。
小さな虫ひとつ欠けたって
生態系は壊れていってしまいます。
自然界は繊細なバランスの上に
成り立っているということを忘れないように
そして実際に肌で感じていたいですね。

だけどやっぱりアブやダニだけは
肌で感じたくはないですけどね・・・


ぼくがゆっくり撮影をしていたら
あとの3人は少し先に行ってしまいました。
双眼鏡で見たら
もう昼食の準備をしているようです。
お昼なんですね。
そう言えばお腹が空いてきました。

昼食に遅れてはいけないと
歩き始めると
近くのエゾノサワアザミの上で
きれいなノゴマがさえずり始めました。
5,6分は鳴いていたでしょうか。
とても美しい声です。
こんな広い空間の中で
自分とノゴマだけの世界が広がっていくような感じがしました。
ノゴマにしてみれば
" 近くにいる彼女のために鳴いてるんだよ!! "
っていう感じでしょうけどね。

でもそれはとても贅沢な時間でした。


再び双眼鏡をのぞくと
現実の世界に戻ってきました。
あっ!みんなおにぎり食べ始めてる・・・



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